しるの読書記録

読んだ本をただただ記録する

話し合いの作法

相互理解を促す「対話の作法」と、納得感を生む「決断の作法」をあわせて、話し合いの作法として解説している。

  • 良い話し合いとは、「私は〜と感じる」を表出しあう対話からはじまり、「私たちは〜したい」を決める決断に至るコミュニケーション
  • 対話とは…
    • お互いに思っていること・感じていることを表出しあい、そのズレを確かめ合うコミュニケーション
    • フラットな関係のもとで行われる、役職や立場を超えたコミュニケーション
    • 「ケリのついていないテーマ」について、参加者が「当事者意識をもって」臨むもの
    • 参加者が自分が抱く意見や価値観を持ち寄り、メンバーに対してそっと差し出す
    • それ自体では「生産的なコミュニケーション」ではなく、生産性を左右するのは、対話のあとに続く、「決断(議論)」であり、「実践(行動)」
  • 残念な話し合いの病
    • とりあえず、かみついちゃう病 - 相手の意見を受容できず、否定や論破してしまう
    • 対話ロマンティシズム病 - 対話にあこがれを持ち、対話を自己目的化してしまう
    • みんな違ってみんないい病 - 意見の違いを咀嚼せず、相対主義に陥ってしまう
    • アンケートフォームで意見吸い上げちゃう病 - 民主的だと思われる形式的な手段で納得感を得られない
    • 誰もついてこない病 - 決まったことに対し誰も「自発的フォロー」を行わない
  • 対話のコツ
    • インプットとアウトプットの間にスループット(鑑賞・吟味)する時間がある
    • 他者には他者の合理的な世界がある
    • マイノリティの声をスルーしない
    • 他者へのリスペクト(他者の尊重)と自己へのサスペクト(自己への懐疑)
1. なぜあなたは◯◯の問題に関わるようになったのでしょうか?この問題とあなた自身の関係や、その経緯について聞かせてください
2. この問題に対するあなた自身の信念や展望について、もう少し聞かせてください。またあなたにとって、最も重要なのはいったいどんなことですか?
3. この問題についての自分のアプローチに、あなた自身、半信半疑な部分、今ひとつ確証が持てない点、心配事、価値に対する矛盾、誰かに理解してもらいたい複雑な気持ちなどはありますか?

公立VS私立 データで読む「学力」、「お金」、「人間関係」

公教育と私教育の違いについて、さまざまな角度から検討した本。 公立校と私立校の成り立ちや歴史における変化など面白かった。

2014年の本のため自分の理解とそう違いはなかったが、昭和の時代と比べるといろいろな変化があり、2024年においてどう変化したのかは気になるところ。

歴史の本棚

史書の読書案内。「国家(14冊)」「天皇(4冊)」「戦争(10冊)」「歴史(14冊)」「人物と文化(15冊)」の5カテゴリに分けて紹介されている。 歴史に疎いので書評の半分ぐらいは理解できていないが、それでも、専門的に掘り下げた書評であることが分かるし、読みたくなるような紹介文だった。

NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?

意思決定における誤りの原因をバイアス(偏り)とノイズ(ばらつき)に分類し、多様な研究や調査を元に、どのようにしてノイズを減らした意思決定ができるのかを論じている。 ノイズ削減に対する批判への反論や、ノイズ検査の方法なども参考になる。

  • ノイズの種類
    • システムノイズ - 計測可能で避けることができる
      • レベルノイズ - 担当者ごとの判断のばらつき
      • パターンノイズ - レベルノイズ以外のシステムノイズ
    • 機会ノイズ - 気分や疲労、天気などの一過性の影響

世界の一流は「雑談」で何を話しているのか

タイトルからは雑談事例集や雑談につかえる話題集かと思ったが、著者が Google Japan で人材開発や組織開発をしていたピョードルさんだと気付いて気になって読んでみた。 本書では、ビジネス雑談の目的を「チームの生産性を向上させて、成果を出すことにある」とし、どのような雑談をすべきかについてまとまっている。

  • 雑談は世間話や無駄話ではなく、お互いに「信頼」「信用」「尊敬」できる関係を作る重要な場
  • 相手に対して無条件の肯定的関心を持つ
  • 明確な目的と事前準備を持って、日常的に雑談する習慣を作る
  • 大事なポイント
    • 相手を驚かせない程度の自己開示をして自分を知ってもらう
    • 好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする
    • 「信頼関係の構築」が目的
    • 相手とラポールを作れているか、客観的に観察する

経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術

グローバルカンパニーのトップマネジメントのヘッドハンターの経歴を持つ著者による、ビジネスパーソンが使える人を見極める技術について説明している。 エグゼクティブの場合、実績などである程度のスキルを見分けることができるからポテンシャルを見極めるのは良いと思うが、新卒やジュニアな採用の場合は、ポテンシャルだけ見分けるとその後の育成に苦労しそう。

事例として紹介されていたアセスメントレポートはとてもわかりやすかった。

  • 人を選ぶときは、優劣の判断と善悪の判断が必要
    • 優秀だが人として悪は、見極めづらく極めて危険(いわゆるブリリアントジャーク)
    • 特に避けるべきケースは「自己肯定感が低く、それを他者にぶつける」、「完璧主義でプライドが高く、共感性も低い」人物
    • ただし、人は多かれ少なかれ悪の性質を持っていて完璧な人はいないので、リスク因子があるからNGというのは早計
  • 人を4つの階層で捉える
    • 1F 経験・知識・スキル
    • B1 コンピテンシー
      • どんなシチュエーションで、どんなアクションを取りがちか、という固有の行動パターンのこと
      • e.g. 変革志向、成果志向、戦略志向
      • e.g. 顧客志向、市場洞察、多様性対応、協働、人物育成、チーム運営
    • B2 ポテンシャル
      • 分かりやすく「力」とついているが、どういうことにワクワクするか、というエネルギーの強さを見る
      • 好奇心(吸収・更新)、洞察力(集める・繋げる)、共鳴力(結ぶ・響く)、胆力(腹決め・律する)
    • B3 ソース・オブ・エナジー
      • 使命感(ミッション)と劣等感(コンプレックス)

すごい酪酸菌

最近腸活に興味があるので、話題の酪酸菌について読んでみた。

  • 酪酸は探査脂肪酸の一種で、代謝や免疫、メンタルなどの働きをサポートする
  • 酪酸は大腸の代謝を促して腸管内の酸素を消費させる
  • 筋肉=タンパク質の接種とは限らない
    • 日本人にとって筋肉量と相関があるのはタンパク質の摂取量ではなく酪酸菌の量
    • 日本人には海藻がおすすめ