「決めない会議」の増補版。ホールシステム・アプローチについてまとめられている。付章に実践事例があり、イメージが湧きやすかった。
それぞれの細かいプロセスは付録にあるだけなので、実際に実践する場合は他の資料を参考にしたほうが良さそう。
ホールシステム・アプローチとは
ホールシステム・アプローチはアメリカ生まれの会議手法で、「ワールドカフェ」「OST」「アプリシエイティブ・インクワイアリ」「フューチャーサーチ」などの総称。ホールシステム・アプローチでは、ダイアログ(ディスカッションでも雑談でもない)を話し合いの基本ルールとし、勝ち負けのない協力的で真剣な対話を目指す。
それぞれ違いはあるが、ホールシステム・アプローチを用いた組織変革の標準的なステップとしては、
- 安全な場をつくる
- 立ち位置を確認する
- 未来の可能性を思い描く
- 実現方法を考える
- 計画を作り実行する
- 結果を検証する
となっており、これらをトップダウンではなく、参加者の主体性・自主性を信じてコミュニケーションや関係の質に気を配り会議を設計する。
10のポイント
- ポジティブな発想でテーマを設定する
- マイクロコズム(小宇宙)をつくる
- 安全な場を確保する
- もてなしの空間を演出する
- オープンに話し、オープンに聞く
- ストーリーテリングで強みと可能性を引き出す
- 共有する価値や目的を発見する
- 右脳を働かせて、ありたい姿をイメージする
- 自律的なプロセスがアクションを生み出す
- 決めようとしなくても決まる