- 作者:デイヴィッド・オグルヴィ
- 発売日: 2006/06/15
- メディア: 単行本
初版は1964年。世界的な広告会社オグルビー&メイザーの創始者が考える広告会社の経営やコピーライティングに関する本。
今読むと当たり前のことでも当時としては革新的だったり、その結果どういう広告が出来上がったのかなど、当時の広告について詳しいともっと楽しんで読めそう。 6章以降は、(50年以上前のアメリカ市場の話という前提はあるが)豊富な経験から導き出した良い広告表現についてかなり具体的に書かれていて面白かった。
クライアントに贈る15のルール
- 広告会社を恐怖から開放すべし(安易に切らない)
- 最初から適切な広告会社を選ぶこと
- 広告会社に対して、徹底的に自社の情報の要点を与えること
- クリエイティブな面で広告会社のライバルになるな
- ガチョウを大事にすれば金の卵を産む
- あまりに多くの段階を経ることで、広告を痛めつけないこと
- 広告会社の儲けを保証すること
- 広告会社を値切ろうとするな
- 率直であること。はっきりとものを言うことを推奨する
- 高い目標を掲げよ
- すべてをテストせよ
- 急げ
- 問題児に時間をかけるな
- 天才を大目に見ること
- 出し惜しみするな
優れた広告とは
- 皮肉屋「良い広告とはクライアントがOKを出す広告」
- レイモンド・ルビカム「偉大な広告の定義とは、それによってその商品がよく売れるだけでなく、長年にわたって大衆にも広告業界にも"見事な作品"として記憶されるものである」
- デイビット・オグルビー「良い広告とは『広告自体に関心を集めることなく』商品を売る広告」
プロの義務として、広告人は自分の技巧をひけらかしてはいけない。 古代ギリシャの雄弁家アイスキネスが演説すると、人々は「なんと話がうまい人だろう」と関心したが、 同じく雄弁家で政治家でもあったデモステネスが演説すると、皆「フィリッポス王を倒せ!」と叫んだ。 私はデモステネスに与する。
広告の批判に対する意見
「広告は浪費させている」「広告により価格が上がっている」という意見に対して以下のように反論している。
- 流通面では在庫の回転数が、製造面では大量生産が可能になることで経費削減ができている
- 品質の低いものを広告しても必ず淘汰される
- 消費者は守られていて嘘をつくことは困難