しるの読書記録

読んだ本をただただ記録する

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

プレゼンテーションやファシリテーションなど伝え方について書かれた本。 書いている内容は当たり前のことで目新しい内容はなかったけれど、簡潔にまとまっていてよかった。

  • 人は相手の話の80%は聞いていない
  • 「伝える」だけではなく「どうしてほしいのか」
    • 相手の立場、興味、理解、懸念
    • 自分に求められていること
  • ピラミッドストラクチャーを使う
  • 「考える」とは、(自分の中にある)知識と(自分の外にある)情報を加工して結論を導き出すこと
  • 話が伝わりにくくなる罠
    • プロセスを話す(あれをやって、これをやって…)
    • 気を遣いすぎる(AもいいけどBもいいけど…)
    • 自分の意見と違うことを言う(こんな懸念もあって…)
    • 笑いを取ろうとする
  • 中学生が理解できる言葉しか使わない
  • 情報を伝えるだけではなく、イメージしてもらう
  • 覚えやすく、その一言でプレゼン全体を表現するようなキーワード「超一言」を使う

あやうく一生懸命生きるところだった

韓国人イラストレーターのエッセイ。 ユーモアのある軽快な文章で「他人の目を気にしなくて良い」「思い通りにならないことがほどんど」「諦めていい」など頑張らない生き方について書かれている。

なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか

タイトルから想像する内容とは違ったけど面白かった。 中心となる話題は「恐怖管理理論」で、人間が「死」を認識するときに特定の反応をするということを多数の心理実験をもとに解説している。

具体的には、「死や暴力」は、物事の文化的な成り立ち(文化を守ること)やカリスマ指導者への支持、神の存在や祈り、酒やゲームへの逃避行動が見られる。一方で、自尊心や文化の一員であることが、死への恐怖を和らげる。

死への恐怖から祈り、祈るための神殿の付近に住み始めたことが定住、そして農業につながったという話が興味深かった。

有名企業からの脱出

典型的な日本的企業の問題点について指摘し、会社にしがみつかず自分なりの幸せを見つけようという感じの本。 自分にはあまり刺さらなかったが、与党野党の話については、ちょうど同僚と似たような話をしていたので面白かった。

  • 人には「与党型」と「野党型」が存在する
  • 「野党型」の典型例は
    • すぐに誰かや何かの責任にしようとする
    • 夢見がちなユートピアばかり語る
    • 何でもかんでも白黒はっきりつけようと言い張る
  • 「与党型」のリアリズムは
    • オーナという意識を持ち
    • 最終的に妥協点を見出す
    • 不都合な真実も受け入れないといけない
    • じっくり利害調整する暇はなく、迅速果敢な決断が必要

戦略参謀 経営プロフェッショナルの教科書

戦略参謀

戦略参謀

新たに経営企画室に配属された主人公がコンサルタントのアドバイスを受けながら、会社を立て直していくビジネス小説。 会社の文化を作ることと、PDCAを回すことの大切さが書かれている。

  • 組織論は分業のための方法論
  • 主要担当業務の範囲を明示することが組織のはじまり
  • 企画とは、目的を明確にし、現状を把握したうえで、目標達成のための意味合いを抽出し、成功のための仮説を立て、実行案を組み立てる一連の動作
  • 皆が智慧を使って進める経費低減活動は、基本的には会社の文化にすべき
  • 人事制度を健全に運営するためには、上長によるマネジメントが極めて重要

問題解決の思考ステップ

  1. 現状把握
  2. 真因の追求(問題発見、問題提議)
  3. 解の方向性
  4. 具体策の比較検討
  5. 実行計画の明示

経費の三分類

  • 使ったことによる効果を知るべき経費
  • 減らしてはいけない経費
  • 例外的な『ポリシーコスト』
    • 直近の効能を説明できないが、責任者の意思や勘として、未来のことを考えて使っておきたい経費

気に入ったところ

本来重要なのは、失敗を称賛する文化づくりだ。失敗することがいいわけじゃない。
失敗から多くのことを学べるという事実を会社が受け入れるということだ。
それを規模が大きくなってもちゃんとやり続けるようにしないといけないということだ。
経営というのは、正しい企業文化づくりでもある。
筋の通った資料を作成するためには、書き方の作法の訓練が必要なのだが、
そういう能力は、ちゃんと訓練する者がいてはじめて、社内で鍛えられる。
略
マネジメント層がちゃんと部下に、『こう書くんだ』という常識を教えていく文化をつくらなければいけない
そもそも号令をかけると、使う経費が減るなんて、おかしいと思わないか?
本当にそれで下がるなら、単にマネジメントが会社の管理レベルが甘いままで放置していたという話だろ?
そこで、経費が下がるというのは、効能があいまいな、使わなくてもいい経費を使うのをやめたか、
『来期に回しておけ』などと先延ばしにしたか、あるいは、本来必要な経費を削減したなんて言うことだろう。
だいたい、悪循環にはまるパターンというのは、押し付けられた高い売上と利益計画があって、それが達成されずに経費が締め付けられる。
それによって様々な社内の業務が崩れはじめて、現場がおかしくなりはじめる。
それが毎年毎年繰り返され、本来打つべき中長期的な打ちてがすべて先送りになっていく。
人は弱さを持っている、誰だってそうさ。うまく戒めていかないと、エネルギー、つまり欲望の強い人ほど暴走してしまうものだ。
これを上手に制御すること、これが人事制度運用の基本にすべき思想だ

地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇

地図とカラー写真で普段あまり意識しない東京の歴史を解説している。 地下鉄の断面図を見ると、乗っているときには気づかない高低差が分かる。

第一章「深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄」と第四章「団地の土地を読み解く」が面白かった。