丸井創業者の伝記。丸井が意外と古い会社だったのとルーツが家具の月賦販売だったことを知った。
なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか
なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか : 人間の心の芯に巣くう虫
- 作者:シェルドン・ソロモン,ジェフ・グリーンバーグ,トム・ピジンスキー
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 単行本
タイトルから想像する内容とは違ったけど面白かった。 中心となる話題は「恐怖管理理論」で、人間が「死」を認識するときに特定の反応をするということを多数の心理実験をもとに解説している。
具体的には、「死や暴力」は、物事の文化的な成り立ち(文化を守ること)やカリスマ指導者への支持、神の存在や祈り、酒やゲームへの逃避行動が見られる。一方で、自尊心や文化の一員であることが、死への恐怖を和らげる。
死への恐怖から祈り、祈るための神殿の付近に住み始めたことが定住、そして農業につながったという話が興味深かった。
戦略参謀 経営プロフェッショナルの教科書
新たに経営企画室に配属された主人公がコンサルタントのアドバイスを受けながら、会社を立て直していくビジネス小説。 会社の文化を作ることと、PDCAを回すことの大切さが書かれている。
- 組織論は分業のための方法論
- 主要担当業務の範囲を明示することが組織のはじまり
- 企画とは、目的を明確にし、現状を把握したうえで、目標達成のための意味合いを抽出し、成功のための仮説を立て、実行案を組み立てる一連の動作
- 皆が智慧を使って進める経費低減活動は、基本的には会社の文化にすべき
- 人事制度を健全に運営するためには、上長によるマネジメントが極めて重要
問題解決の思考ステップ
- 現状把握
- 真因の追求(問題発見、問題提議)
- 解の方向性
- 具体策の比較検討
- 実行計画の明示
経費の三分類
- 使ったことによる効果を知るべき経費
- 減らしてはいけない経費
- 例外的な『ポリシーコスト』
- 直近の効能を説明できないが、責任者の意思や勘として、未来のことを考えて使っておきたい経費
気に入ったところ
本来重要なのは、失敗を称賛する文化づくりだ。失敗することがいいわけじゃない。 失敗から多くのことを学べるという事実を会社が受け入れるということだ。 それを規模が大きくなってもちゃんとやり続けるようにしないといけないということだ。 経営というのは、正しい企業文化づくりでもある。
筋の通った資料を作成するためには、書き方の作法の訓練が必要なのだが、 そういう能力は、ちゃんと訓練する者がいてはじめて、社内で鍛えられる。 略 マネジメント層がちゃんと部下に、『こう書くんだ』という常識を教えていく文化をつくらなければいけない
そもそも号令をかけると、使う経費が減るなんて、おかしいと思わないか? 本当にそれで下がるなら、単にマネジメントが会社の管理レベルが甘いままで放置していたという話だろ? そこで、経費が下がるというのは、効能があいまいな、使わなくてもいい経費を使うのをやめたか、 『来期に回しておけ』などと先延ばしにしたか、あるいは、本来必要な経費を削減したなんて言うことだろう。
だいたい、悪循環にはまるパターンというのは、押し付けられた高い売上と利益計画があって、それが達成されずに経費が締め付けられる。 それによって様々な社内の業務が崩れはじめて、現場がおかしくなりはじめる。 それが毎年毎年繰り返され、本来打つべき中長期的な打ちてがすべて先送りになっていく。
人は弱さを持っている、誰だってそうさ。うまく戒めていかないと、エネルギー、つまり欲望の強い人ほど暴走してしまうものだ。 これを上手に制御すること、これが人事制度運用の基本にすべき思想だ
地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇
カラー版 - 地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇 (中公新書)
- 作者:竹内 正浩
- 発売日: 2016/10/19
- メディア: 新書
地図とカラー写真で普段あまり意識しない東京の歴史を解説している。 地下鉄の断面図を見ると、乗っているときには気づかない高低差が分かる。
第一章「深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄」と第四章「団地の土地を読み解く」が面白かった。
金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント
連鎖退職
- 作者:山本 寛
- 発売日: 2019/06/11
- メディア: 新書
一人の退職をきっかけに退職者が相次ぐ「連鎖退職」のきっかけや対処について、実際に当事者にヒアリングし事例をまとめている。 原因や対応などは「まあそうだよね」という想像の範囲内だが事例が生々しくて面白い。 基本的には防ぐものとしながらも、連鎖退職により職場が良くなった(職場を混乱させる人が抜けた)という話もあり興味深い。
話の中で出てきた「組織市民行動」「組織阻害行動」の二次元モデルは使いやすそう。
怒りは他の感情と比べて驚くほど高い影響力を持ち、ネットワークの中で素早く広く伝わる 怒りの感情と上手に付き合い、振り回されないようにコントロールする技術=アンガーマネジメントが連鎖退職の防止に役立つ
連鎖退職とは
- 連鎖退職は同調行動
- 多数派の行動に合わせる情報的影響
- 親密な人の行動に合わせる規範的影響
- 連鎖退職のパターンは2つ
連鎖退職のきっかけ
- 業績や職場環境の悪化
- 組織体質や処遇の不満
- 優秀な社員や同期の退職、引き抜き
- 希望退職やリストラ
- 事業譲渡や経営者の交代
連鎖退職の対策
対策はヒアリングでこういうのがあると良かった、あって良かったという話ぽいのでエビデンスはなし。
- 採用前の詳細な説明・情報提供 - 思っていたのと違うを防ぐ
- 採用基準自体の変更 - 業務内容と適性をあわせる
- 定期的な配置転換 - マンネリ化を防ぐ
- 報酬・評価に関する方針 - 成果主義が良いかは賛否あり
- 残業・長時間労働の削減 - 疲弊を防ぐ、ただし一律対応は逆に手足を縛るかも
- 福利厚生(ワークライフバランス) - 平時の対応として
- キャリア形成支援(メンター等) - 継続的なケア
- ハイパフォーマー人材の定着 - 2割のコア人材に注力
- 業務の改善 - せやな