しるの読書記録

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言葉は現実化する 人生は、たった"ひと言"から動きはじめる

言葉は現実化する―人生は、たった"ひと言"から動きはじめる

言葉は現実化する―人生は、たった"ひと言"から動きはじめる

  • 作者:永松 茂久
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ナポレオン・ヒル思考は現実化する_アクション・マニュアルつき や、引き寄せの法則に近い本。 カラーバス効果などを例にあげ、夢を言葉にすることや良い言葉を使うことで、脳に思い込ませることができるよ、みたいなことが書いてある。

  • 潜在意識の特徴
    • 善悪を判断できずそのまま受け入れる(ので、否定的な言葉も思い込む)
    • 主語を認識しない(ので、他人に言った言葉も自分に帰ってくる)
    • 訂正するまで頭に残り続ける(ので、ふとしたときに思い出す)
    • 時間を認識できない(ので、未来のことも過去のことも今起きていると勘違いする

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術

フィードバックの基本理論からノウハウ、事例紹介までが簡潔にまとまっている。 タイプ&シチュエーション別フィードバックに出てくるタイプが多種多様で、「あーいるいる」という感じで面白かった。

事例に紹介されていた「フィードバックの内容を部下に書いてもらう」ことで理解度を確認するというのは良さそう。

  • 育成は経験軸(ストレッチゾーン)とピープル軸(業務支援・内省支援・精神支援)で考える
  • フィードバック前にSBI情報(Situation, Behavior, Impact)を集める
  • フィードバックのチェックポイント
    • 相手としっかり向き合っているか
    • ロジカルに事実を通知できているか
    • 部下の反応を見ることができているか
    • 部下の立て直しをサポートできているか
    • 再発防止策をたてているか
  • 部下からのリアルな意見を引き出す「アシミレーション」
    • 登場人物:ファシリテーター、上司、部下
    • 上司は席を外し、ファシリテーターが部下から意見を引き出す
      • 上司について知っていること、続けてほしいこと、やってほしいこと、やめてほしいこと
    • 部下が席を外し、上司はファシリテーターから説明を受ける
    • 上司が部下に対して今後の方針を話す

教養バカ わかりやすく説明できる人だけが生き残る

知識をひけらかしているだけの人を「教養バカ」と呼び、わかりやすく説明するためのTIPSが書かれている。

  • わかりやすさとは、相手の頭の中に絵が浮かぶこと
  • 「他者意識」で相手の知識に合わせて言葉を選ぶ
  • 結論を最初に。ひきつけるための疑問は1個ずつ解消する
  • 台本やカンペの代わりに絵を書くと構成が楽になる
  • 語彙力を鍛える
  • だめな例 → 長話、専門用語連発、メモ朗読、リピート、要するに連発、間なし、高圧

SLEEP -最高の脳と身体をつくる睡眠の技術-

睡眠に関するいろいろなTIPSが紹介されている。怪しそうな内容もあるけど、いろいろ試してみたい。

  • 0600 - 0830 に太陽光を浴びる
  • 寝る90分前から電子機器は触らない
  • カフェインは1400まで
  • 室温を20度前後に保つ
  • 2100 - 2300 にベッドに入る
  • マグネシウムは経口より経皮のほうが吸収率が高い
  • 寝室は睡眠以外で使わない
  • 完全な真っ暗で寝る
  • 午前中に運動をする
  • 夕食は高脂肪、低糖質に
  • マッサージを習慣にする
  • アーシング(グラウディング)

消極性デザイン宣言 消極的な人よ、声をあげよ。……いや、上げなくてよい。

個々人が克服すべきと考えられていた消極性に関するコミュニケーションやモチベーションを、仕組みや工夫でハックする事例・アイデアの紹介。 消極性研究会の面々が、「少人数コミュニケーション」「多人数コミュニケーション」「コラボレーション」「モチベーションとゲームデザイン」「モチベーションとHCI」という切り口でシャイハックをしている。 4章、5章が特に興味深かったが、全体として色々なアイデアやネタがあって面白かった。 「使おうとしやすさ(アプローチャビリティ)」という考え方はなるほど。

www.sigshy.org

意思決定の教科書

ハーバード・ビジネス・レビュー意思決定論文ベスト10 意思決定の教科書

ハーバード・ビジネス・レビュー意思決定論文ベスト10 意思決定の教科書

  • 発売日: 2019/03/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ハーバード・ビジネス・レビューの中で「意思決定」に関する論文のベスト10を集めた本。 4章の「対話が組織の実行力を高める」が一番おもしろかった。

目次

  1. 意思決定をゆがめる心理的な落とし穴
  2. 意思決定の行動経済学
  3. ニアミス:隠れた災いの種
  4. 対話が組織の実行力を高める
  5. プロセス重視の意思決定マネジメント
  6. 意思決定のRAPIDモデル
  7. 道徳家ほどおのれの偏見に気づかない
  8. 意思決定プロセスのカイゼン
  9. 脳科学が解明する意思決定リスク
  10. 戦略立案と意思決定の断絶

論文

意思決定をゆがめる心理的な落とし穴

心理的な落とし穴といて「アンカリング」「現状維持バイアス」「サンクコスト」「確証バイアス」「フレーミング」「見積もりと予測(自信過剰・安全第一主義・偏った記憶)」について、実験内容と対処法についてまとめられている。

どれも、そういう落とし穴がある、と理解し意識していれば、防げることも多いので気をつけたい。

意思決定の行動経済学

同じく、意思決定にはバイアスがかかるとした上で、意思決定者が提案を受ける際に、バイアスがかかっていないかを確認するためのチェックリストについて書かれている。 自分のバイアスには極力気をつけるようにはしていたが、提案者がどうかという点はあまり考えられていなかったので気をつけたい

  • 提案者は私利私欲にかられていないか?
  • 提案に惚れ込んでないか?
  • 反対意見はでていたか?

ニアミス:隠れた災いの種

ヒヤリハットの話。成功体験を積むとリスクをはらんでいることを忘れてしまうというのは気をつけたい。

対話が組織の実行力を高める

対話の中身とスタイルが、従業員の行動や信念(組織風土)を形成するとして、意思決定のある組織がどのような組織運営メカニズム(対話)をもっているかについて書かれている。

  • オープンで
    • 対話の結論を決めつけず、代案・発見を真摯な気持ちで探る
  • 忌憚なく
    • 進んで口にしにくいことを発言し、対立意見があることを伝える
  • 形式にこだわらない
  • 会議の流れで反対意見を封じない
  • アクションプランが作成される
    • 自分が何を実施すべきかを正確に知る

対話を殺すもの

  • 宙に浮いた対話
    • それぞれが勝手に会議の内容を咀嚼し、誰も責任をとらない → アクションプランをまとめる
  • 情報の流れの停滞
    • あとから重要な事実や意見が出てきてやり直しになる → 適切なメンバーを参加させ、オープンで忌憚のない対話をする
  • ばらばらな視点
    • 自己の利益にこだわる → あらゆる立場から意見を出し、全体感をもって話す
  • 誰もが勝手放題
    • ゆすり、脱線、無発言等ネガティブな行動がはびこる → リーダーはネガティブな参加者にペナルティを与える

プロセス重視の意思決定マネジメント

意思決定には主張型と探究型のアプローチがあるとし、探究型の意思決定の場は、意見の相違を抑制せず、さまざまな選択肢を慎重に検証し合意することが大事で、そのためには3つのCが不可欠。

3つのC

  • 建設的対立 - Conflict
    • 情緒的対立を避け、認識的対立を促す
  • 意見の考慮 - Consideration
    • 全ての意見に耳を傾け理解する、ただし、全ての立場が通るわけではない
  • 議論の適切な時点での終了 - Closure
    • 多少の曖昧もよしとし、リーダーが終了を宣言する

良好な意思決定の場の特徴

  • 代替案が豊富にある
  • 前提事項が検証されている
  • 基準の定義が確立している
  • 反対意見が出され、議論がそれに続く
  • 公平さが認知されている

意思決定のRAPIDモデル

意思決定のボトルネックを解消するための、提案R、同意A、実行P、助言I、意思決定Dのステップの役割について書いている。 この役割分類は使えそう。

  • 意思決定の優先順位をはっきりさせる
  • 行動こそ目標(コンセンサスが目標ではなく、当事者意識をもって取り組む)
  • 曖昧さを排す(責任の所在を明らかにする)
  • スピードと適応力が欠かせない
  • 意思決定は肩書に優先する
  • 風通しのよい組織は役割を強める
  • 論より行動

道徳家ほどおのれの偏見に気づかない

偏見がないと思っても偏見はあるので、それを心理学的なアプローチで誤謬を正そう 、という話。

意思決定プロセスのカイゼン

意思決定のミスを防ぐ4つのステップ(特定、棚卸し、介入、制度化)について、手法もあわせて紹介している。

脳科学が解明する意思決定リスク

意思決定を誤らせる前兆「レッドフラッグ」の見極め方について。

戦略立案と意思決定の断絶

戦略と意思決定がバラバラなので、不合理な事業活動になってしまうので、乖離をいかにして埋めるかの実例について紹介されている。

一発OKが出る資料 簡単につくるコツ

わかりやすいスライド資料の作り方を「構成」「説得力」「文章」「図解」「デザイン」にわけて解説している。 目次のページに、「会議で確認したいこと」「時間配分」をいれるのは良さそうだった。

  • 相手が理解しやすい順番にする
  • 資料は1ページに情報1つ
  • 表紙を抜いて12ページ以下に抑える
  • プレゼン資料では「問題特定→解決策」、報告資料では「計画→結果」

構成

  • 前半と後半の二部構成がわかりやすい
    • 前半:目的→問題点→原因
    • 後半:解決策→目標→計画(スケジュール・体制・予算)
  • 目的で目線を合わせる
  • 問題とは現状とあるべき状態のギャップ
    • 悪化しつつある現場とホラーストーリーで危機感を煽る
    • あるべき姿がないと問題を見極められない
    • 定性データで全体感、定量データで現場感を
  • なぜを繰り返し本当の原因を見つける
    • ルール基準が曖昧 / 予算が足りない / 非効率な業務が多い / 業務のチャック、確認が足りない
    • 技術、スキルが足りない / コミュニケーションが足りない / 人、時間が足りない / 責任の所在が不明確
  • 解決策をすべて書き出し、効果と実現性で一番を選ぶ
  • 期限と目標値を示す

その他

  • ページタイトル、メインメッセージ、ボディで統一感を出す
  • 短い文章を心がけ、箇条書きを活用する
  • 他社の成功事例を使う
  • ビフォーアフター、自社他社で対比する